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PT・OTと比べると、STの訪問求人は数が少なく見える。板橋区で言語聴覚士として訪問領域に転職し、本当に生活していけるのか――そんな不安を抱えている方は多いはずです。
有資格者数と就業分布から傾向を読む
まず事実を確認しましょう。
日本言語聴覚士協会によると、言語聴覚士の有資格者は2018年3月時点の3万人超から、2023年3月時点には約3万9千人へ増加しています。
一方、就業分布を見ると、約60%が医療分野(一般病院・診療所等)に集中。介護(居宅サービス事業所等)は6.49%にとどまるという傾向があります。
つまり「訪問領域の就業者割合が小さい」のは事実です。ただし、有資格者の増加と在宅需要の拡大により、訪問・居宅領域は広がりつつある傾向があるとも言えます。
ただし、事業所の体制や報酬算定の仕組み次第では給与や働きやすさに大きな差が出ます。単純な楽観論には注意が必要です。
板橋区 言語聴覚士 訪問 求人の実態を、具体的な数字と制度の両面から見ていきましょう。
言語聴覚士の給与水準と訪問領域の位置づけ

厚生労働省「令和6年度賃金構造基本統計調査」によると、言語聴覚士(全勤務先含む)の給与は次の通りです。
- 平均年収:約444万円
- 月給平均:約31万1,400円
- 年間賞与平均:約70万4,700円
- 新卒初任給:24万6,300円
経験年数別の傾向を補足すると、厚労省「職業安定業務統計」には「視能訓練士、言語聴覚士」の合算分類として基準時給が示されています(ST単独の数値ではありません)。経験0年1,308円→5年1,789円→10年2,059円→20年2,574円と推移します。比較として理学療法士の基準値は1,363円、作業療法士は1,335円であり、3職種間で大きな差はない傾向があります。
訪問看護ステーション・療養型病院・老人保健施設など勤務先によって基準値は近似しますが、訪問領域固有のST単独給与統計は現時点で存在しません。介護保険・医療保険いずれで算定しているか、訪問件数や加算体制によって実収入には差が出る可能性があります。
就業分布(日本言語聴覚士協会)を見ると、医療分野60.27%に対して介護は6.49%、福祉は4.73%にとどまります。板橋区 言語聴覚士 訪問 求人の数が少ない背景には、この就業分布の偏りが影響している可能性があります。
賃上げの実態|報酬改定と収入への影響
PT・OT・STの「令和7年度報酬改定に係る賃上げに関する3団体合同実態調査」(2025年)を引用します。PT・OT・STの合算データであり、ST単独の数値ではありません。
2年間(2023年6月〜2025年6月)でベースアップ等を実施した割合は、医療施設(n=652)74.1%、介護施設(n=141)60.4%、障害福祉施設(n=227)58.9%でした。ただし、基本給そのものの引き上げは医療施設31%、介護施設16%、障害福祉施設11%にとどまります。医療施設で昇給があった場合も月5千円未満が35%、5千〜1万円未満が41%を占め、賃上げ額は小幅な傾向があります。
令和6年度介護報酬改定では訪問看護関連の算定が変更されました(出典:厚労省 介護報酬改定関連資料・Q&A Vol.1225)。
| 加算名 | 改定前 | 改定後 |
|---|---|---|
| 緊急時対応加算 | 574単位/月 | 774単位/月 |
| 初回加算 | 300単位/月 | Ⅰ350・Ⅱ300単位/月 |
| 専門管理加算 | なし | 250単位/月(新設) |
| 退院時共同指導加算 | なし | 600単位/回(新設) |
これらは事業所収益に直結し、STの待遇原資にも影響する可能性があります。24時間対応体制の有無・専門管理加算の算定体制・多職種連携による退院時共同指導の実施実績は、板橋区 言語聴覚士 訪問 求人を比較する際の着眼点です。医療保険から介護保険への移行期に切れ目なく訓練を継続できる体制かどうかも、事業所の収益安定性を判断する材料になります。
板橋区で訪問STが担う対応領域

医療保険・介護保険での訪問
- 摂食嚥下障害:誤嚥性肺炎予防を目的とした嚥下評価・訓練
- 失語症・構音障害・高次脳機能障害:脳卒中後のコミュニケーション・認知機能訓練
- 精神科訪問看護:コミュニケーション支援・社会生活適応訓練
小児リハビリテーション(児童発達支援・放課後等デイサービス)
WISC-V・PVT-R等の検査結果に基づいた個別支援計画を作成し、言語発達・社会的適応訓練を提供します。在宅レスパイトにおける医療的ケア児支援も広がりつつあります。
専門性を示す指標として認定言語聴覚士制度(日本言語聴覚士協会)があります。領域別認定者数は摂食嚥下障害505人、失語・高次脳機能障害349人、言語発達障害126人(全領域合計1,178人)。有資格者約3万9千人のうち1,178人という水準であり、認定取得が採用・処遇の差別化につながる傾向があります。
板橋区地域リハビリテーションネットワークST部会と連携の仕組み
板橋区では地域リハビリテーションネットワークが整備されており、STが参加できる部会・研修機会が設けられています。PT・OT・MSW・訪問看護師との情報共有フローが機能している事業所では、退院時共同指導加算(600単位/回)の活用や、医療保険から介護保険への移行期における継続的な言語訓練支援が行われやすい傾向があります。
板橋区 言語聴覚士 訪問 求人を検討する際、このネットワークへの参加実績・多職種連携の実態を確認することは、孤立した在宅業務となるリスクを下げる観点から有効な可能性があります。小児・成人の複合ケースに対応できる実践環境かどうかを見極める材料にもなります。
訪問STとして板橋区で働く将来シナリオ
需要が拡大する可能性が高いシナリオ
言語聴覚士の有資格者は年約1,600人ずつ増え、2023年3月時点で約3万9千人。しかし介護・居宅領域の就業者は全体の6.49%にとどまります。高齢化に伴う摂食嚥下障害・失語症・高次脳機能障害への在宅需要は拡大する傾向があり、在宅医療が拡充される流れの中で訪問リハビリの算定機会も広がる可能性があります。板橋区 言語聴覚士 訪問 求人の数も今後増える可能性があります。認定言語聴覚士(摂食嚥下障害領域505人・失語等349人)など専門性を高めれば、待遇向上の余地が広がる可能性があります。
直視すべきリスク
3団体合同実態調査(2025年、PT・OT・ST合算)では、医療施設の基本給引き上げ実施は31%にとどまります。昇給があった場合も月5千円未満が35%・5千〜1万円未満が41%と小幅な傾向があります。事業所の規模・24時間対応体制の有無・報酬算定体制によって収入や業務負担に差が出る可能性があります。2026年度の介護報酬改定では、算定体制の整った事業所ほど収益が安定する傾向がある可能性があります。
訪問STに向いている人・向いていない人
向いている可能性が高い人
- 摂食嚥下障害・失語症・構音障害・高次脳機能障害に専門的に関わりたい
- 小児リハビリテーション(児童発達支援・放課後等デイサービス)で個別支援計画を作成・実施したい
- 多職種連携・地域リハビリテーションネットワークの調整が苦にならない
- 自律的に訪問スケジュールを組み立てられる
慎重に検討すべき人
- 常にチームで相談・確認できる環境を強く求める
- 訓練機材が整った施設環境を前提に働きたい
よくある質問
Q1. 訪問STの給料は病院勤務より高い?
厚労省「令和6年度賃金構造基本統計調査」によるST全体(全勤務先含む)の平均年収は約444万円(月給約31万1,400円)。全産業平均年収(2024年・431.5万円)と近い水準です。訪問領域のST単独統計は現時点で存在せず、直接比較は困難です。訪問手当・訪問件数・専門管理加算(250単位/月)などの算定体制によって変動する傾向があります。
Q2. 訪問STにオンコール・24時間対応はある?
訪問看護ステーション所属の場合、24時間対応体制を算定要件とする加算があり、STがその体制に含まれる場合があります。求人票では「オンコール義務の有無」「手当額」「STが対応する頻度」を必ず確認してください。
Q3. 一人で訪問する孤立感はどう解消する?
板橋区では地域リハビリテーションネットワークST部会が設けられており、PT・OT・MSW等との情報共有の場がある場合があります。事業所のST在籍人数・ケース会議の頻度・外部研修への参加実績を確認すると、孤立リスクを下げられる可能性があります。
次のアクションプラン:求人票で確認すべき5項目

板橋区 言語聴覚士 訪問 求人を比較する際は、以下の5点を確認してください。
| 確認項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 報酬算定体制 | 専門管理加算(250単位/月)・緊急時対応加算(774単位/月)の取得状況 |
| ST在籍人数 | 1人体制か複数体制か |
| 対応領域 | 医療保険/介護保険、小児(児童発達支援等)対応の有無 |
| 24時間対応 | オンコール義務の有無・手当額 |
| 多職種連携 | 地域リハビリネットワークへの参加実績 |
条件を一つずつ確認し、自分が納得できたら進む。それが訪問STとして長く働き続けるための、有力な判断基準の一つです。
参考文献・引用データ
本記事で使用している数値・制度内容・市場動向に関する情報は、以下の公的資料および信頼性の高い調査データを参照しています。

